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新潟県新発田市の高橋建具製作所は、簾戸・格子戸など、和室・茶室建築の建具をオーダーで製作いたします。

■建具 Q&Adetail


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□ 格子戸



 Q、格子戸につかう材木は?

A、玄関に使う時、雨風があたるので、水に強い木材の米ヒバ、青森ヒバ・木曽ヒノキを使います強度もあり、腐れにくい材料です。

ヒノキは色々な所でとれますが、良いものとしては、木曽のヒノキを使います。

青森ヒバは、殺菌効果があります。お寿司屋さんのまな板を頼まれるときは、青森ヒバを使います。

 

Q、格子戸の硝子はどう入れるのか?

A、基本的に、格子戸は片面格子です。

硝子をとめる桟のホゾは、下を深くして、上を浅くする。そうやって、桟を外せるようにしてあります。
その桟にも硝子しゃくりをします。

 

縦桟の本数は、基本的に奇数です。硝子の継ぎ目が真ん中にくるようにそうします。

両面格子の時は、上から硝子を落とします。

 

質問B(硝子が、ガタガタいわないようにするには・・・・)

4mmの硝子を入れるのに、4oのミゾをついても入らない。どうしても余裕が必要になります。

裏にシリコンかコーキングをうてば、ガタつきはとまりますが、それでは見栄えがわるいとなれば、上から溝の中に1本桟を入れて、遊びをとめます。厚みに関しては、どうしてもガタガタいいます。

 

両面格子にした場合は、ガタつきは結構とまります。

桟をくっついてしまうくらいに、きつく組みます。

きつく組むと、骨は曲がってきますから、それを利用して硝子のガタつきをとめます。

くでをきるときに、ちょっと強くきつめにして組みます。

普通に組むと、桟は広がりやすいので、きつめに組むのは有効かと思います。


 

Q、きつく組むという話がでましたが、その時の微調整はどうやってやりますか?

A、機械でとっても、手でとっても、欠き込み部分を微妙にせまくします。

クデは、1つ1つではなくて、まとめて欠きます。まとめて墨をして、胴付鋸といううすい刃の鋸でとります。片方だけではなくて、両方で均等にとります。強さ確かめながら、やります。

機械はくできりです。家具屋さんなら、定規をつくって 横切りでよいかと。昇降盤でもいいです。

あれば、ラジアル。

ヒバなら、少し強めにしても入りますが、ナラやウォールナットのような硬い材料は、固く組むと組めなくなってしまう。材木によって加減します。

 

 

Q、格子戸が垢ぬけるコツは?

A、隅々、穴をほって、桟がキチンとそこに入っているか?

取り合いがいかに、平らに納まっているか?

全体的に見れば、同じ形になっているけど、そういうところをきちんとすると垢ぬけると思います。


隅々を見ているところ



 

Q、無垢の木は、汚れが気になりますが・・

A、木はどんな材料を使っても、手入れが大事です。

人間でも、手入れすることで、まるで変わってきますね。

亜麻仁油などの脂っけを与えること。

最初に納めるときと、なるべく近いうち、1年目くらいにもう1度に塗ったほうがいいですね。
膜がだんだんできてきます。最初は、生地より、油っけがあった方が汚れがつきにくくなります。


 

A、背の高い格子戸は反りやすいですが、どうしたらいいですか?

Q、一番は材木の見る目。100%絶対というのはないけど、だいたい見ればわかります。

それでも、背が高ければ高いほど、狂いやすい。あてのところは、木が硬い。まがっている。
あて木は、何年たっても狂いますね。

いくら選んでいても、自然のものなので、どう変わるかわからない。

でも、自然のものだからと逃げないで、精一杯選ぶことが大事なことだと思います。

 

玄関は、片方だけ日があたるので、日当たりがよいところも気をつけなくてはいけないです。

そんなところは、素直な目の木がいいです。反るものという考えで、枠も作ってもらうと助かります。

 

背の高いものは、建具のすきまを、通常3mmのところを5mmくらいにしてもらうと、助かります。いい仕事だからと、すきまを少なくすると、後々お客さんが困ります。完成した時は、きれいだけど、すぐ、戸があたって使いづらくなります。

 

お客さんにも、無垢材は、反ることがあることを、一言伝えることも大事です。

 

また、上下の横桟が1本づつと、桟がとんでいるデザインは危険です。


特にウォールナットのような狂いやすい材料で、背の高い格子戸をつくるときは、デザインと、すきまを考えることが大事かと思います。