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新潟県新発田市の高橋建具製作所は、簾戸・格子戸など、和室・茶室建築の建具をオーダーで製作いたします。

■建具Q&Adetail


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□ 茶室建具



 Q、茶室建具とは?

A、茶室建具というと、特別なイメージがありますが、そんなことはなく、茶室には障子もあり襖があり板戸がありますが、住宅にも障子があり襖があり板戸があります。

 

建築の方は詳しくないのですが、茶室は、そんなに大きな建物ではありません。そこに普通の住宅の建具を持っていったらバランスが悪いですね。その繊細さにあった建具、あえて茶室建具というならそんな建具の事をいうのだと思います。

 

茶室に使う材料ですが、杉が多いように思います。

杉の色は人間の精神がリラックスする、そんなところが茶室に合うように思います。

 

Q、建具の厚みはどのくらいにしますか?

A、茶室は、鴨居と敷居も小さいので、そこに1寸(30mmの普通の住宅に入れる建具を入れるとごつく感じます。

45」  「35」 茶室はこの2つが多いです。

島が4分(12o)溝が5分(15o)建具の厚みが8分(24mm

島が3分(9o)溝が5分(15o)建具の厚みが721mm



建具は平面ですけど、少し斜めからみると立体に見えて、厚みが建具の見え方の印象において重要になってきます。

 

Q、茶室建具のデザインを考える際、大切なことは?

A、茶室建具は、内山和紙・美濃和紙の寸法が基本になっています。

93分(282mm) 巾133分(400mm

障子はこの和紙の寸法に合わせて桟の位置を考えると、無駄なく美しいプロポーションになります。

 

Q、千鳥張り(石垣張りともいいます)について

A、千鳥張り(和紙を継いで張る方法)は、たとえば引き違いなら、2枚たった時の全体のバランスをみて張り方を決めます。

紙の継ぎ目は、茶室なら5厘(1.5mm)が合うように思います。

 

Q、その茶室に合った建具をつくるには?

 A、部材の寸法が1mm違うと、イメージが全く変わってきます。
1mmを大事に考えると、その場にしっくりした建具ができるかと思います。

建具を考えるとき、本当は原寸が理想です。
私は1/10で書いていますが
CADは使えないので、ドラフターで書いています。

すべて一律で考えずに、背の高さや茶室の雰囲気で調整していくと良いと思います。

 Q、本襖をつくる際、大事なことは?

A、本襖は、桟を組んでそこに紙を張り重ねていきます。

何が一番大事か?というと、襖の隅々が一番大事です。横にチイがはいっています。
そうすると、ねじれをふせいで、紙の引っ張りをとめます。


表具屋さんから借りた本に

「この襖はその茶室のごとく素朴な精神が生かせなければならない」

「引手姿なども勘案してその数を割出す」

「骨は透影(すきかげ)が武骨にならないこと」

とあります

本襖は、障子の桟のような骨に紙を張り重ねて、その骨にあわせて引手の位置も決まります。
下地である骨も武骨にならぬよう、とは茶室らしく恰好良いですね。