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■簾戸の豆知識


「すだれ」という字。簾と簀の違いとは?

簾と簀も、共にすだれを意味しますが
本来の吊るす、掛ける等を目的とするすだれを「簾」と書き
戸の中に入れたり、巻いたり、敷いたりする事を目的とするすだれを
「簀」と書きます

当社では風を感じるので簾の「簾戸」としていますが、漢字としては
簀戸が正しいです


 ヨシとアシの違いは?

すだれ屋さんから教わってきました

ヨシは、中が空洞になっているもの
アシは、中がつまっているもの、この違いだそうです
中がつまっていると、虫がつくので、アシ(悪し)と言うそうです

弊社のものは、中が空洞のヨシです

ヨシという字 「葦」・「葭」 とあります

簾戸以外にも、夏障子、葭障子、葭戸、御簾戸などと呼ばれますが
中に入れるすだれの種類で呼び名が違うようです

葭障子、葭戸と呼ぶもの・・中のスダレに葭(ヨシ)がはいっているもの
御簾戸と呼ぶもの・・御簾に使う細い竹ヒゴをスダレにつかっているもの


簾戸は本当に涼しい?

 簾戸をつけてみようか検討する際、気になるのが
『簾戸は本当に涼しい?』 ということだと思います

実は、簾戸をつけたからといって温度は1度くらいしか変わりません
しかし、簾戸をつけた部屋は涼しく快適に感じます

何故でしょうか?

簾戸の効用 5つのキーワードでひも解いてみます

 @ 風をつくり汗を蒸発させる 

簾戸は、風の通り道をつくり汗を蒸発させ体温を下げます

汗は蒸発してこそ、体の熱を下げる。熱中症対策になります

(室内の湿度が飽和状態では、汗は流れおちるだけで蒸発しません
満員電車のように、もわ〜じわ〜っとしたところで、いつまでも
汗がひかず蒸し暑い思いをされたことがあるかと思います)

熱中症は、汗が蒸発しないで体に熱がこもることでおこります


 A 遮蔽

簾戸は、夏の強い日射しを遮り室内の温度上昇をおさえます

すだれを窓からはなして立てかけるのが一番効果がありますが、日本は台風があるので風にとばされたり消耗がはげしく簾戸が普及したのではないか?と思います

おすすめは、へちまやゴーヤで緑のカーテンをつくり簾戸をたてる方法です



 B 冷房病対策

簾戸で、クーラーの使いすぎを防ぎ冷房病をふせぐことができます

(外部の炎天下・30℃)⇒(クーラーで冷えた室内20℃)を繰り返すと体温調節をつかさどる自律神経が混乱し、弱ってしまうことから引き起こされます

冷房病は、人間の体温調節をつかさどる自律神経が5℃以上の急激な温度変化に対応できないことから起こります


 C 脳を心地よくする

簾戸の快適さは、脳が一番関係していると言っても過言ではないでしょう

風鈴によって風を感じ涼しさを感じるように・・脳は物理的に温度が下がらなくても涼を感じることができます

脳が涼や快適さを感じることで、自律神経が整い血圧が下がったり、幸せホルモンのセロトニン、休息モードのα波がでます

『簾戸をつけるとよく眠れるんですよ』というのは、この効果からかもしれません


 D 地球環境のためにも・・

クーラーは冷媒を使い室内の熱を室外に移動しているだけで、さらに電気を使いファンをまわすので、室内の熱+電気消費の熱、さらに発電所の熱もだしており、部屋は涼しくなりますが街全体は温めていることになります

しかし、我慢のしすぎは体に悪いので『エアコンの使用頻度を減らすことができる環境作り』をしてみてはいかがでしょうか

日本には『夏座敷』という美しい言葉があります。まさに、エアコンの使用頻度を減らすことができる環境ですね

簾戸をたてて、藤の敷物をひき風鈴をつるす・・

季節にさからうことなく季節を楽しみながら工夫して暮らす、なんとも日本人らしい風流な暮らし。素敵ですね




 
簾戸は、『風を通す遮光カーテン』ともいえるような、よく考えられた建具ですね
昔の人の知恵は本当に素晴らしいです